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『10歳?へぇ…美味しそうねぇ♪』
ぺろっと舌なめずりをしながら、獲物を捕らえるような鋭い目で勇太を見た。
『えっ?』
突然のことにマヌケな声をだす。
『…いえ、なんでもないわ。それより願いごとは何かしら?』
『えっ?あっ…』
マリーナの言葉で彼女に願いごとを聞いてもらいに来たことを思いだした。
そして目線を下げ、床を見ながら話しだした。
『僕のお母さん病気なんです。お医者さんは治せないって…』
泣きそうになるのをグッと堪えマリーナを見た。
少しの沈黙が続き、静かにマリーナは口を開いた。
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