序 話「希望の光」

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「これは酷いな」 ヴァレッタ家当主夫妻の殺害現場を調査していた轟はその有り様を見て絶句していた。 「護衛の者も皆死んでいる。一体誰が…」 「総長、生存者はおりません。追跡部隊より報告でレナードを取り逃がしてしまったとのことです」 「リウェスタ卿から何としても捕まえるよう言われていたのだが…お子様の捜索に切り替える。ただちにお子様の生存確認及び捜索に取りかかれ。私はリウェスタ卿にご報告に向かう」 「はっ!」 「ご報告いたします、追跡部隊からレナードを取り逃がしてしまったとのご報告です。申し訳ありません」 ノアの宮殿にいるリウェスタ卿に報告にきた轟は今までの調査を報告した。 「取り逃がしたのは致し方があるまい。ヴァレッタ家当主の方はどうだ」 「はい…リヒト様、シーナ様は鋭利な物で刺され即死状態でした。護衛の者も似たような状態で生き延びたものはいませんでした」 「そうか。引き続き調査を頼んだぞ」 「はっ!」 轟は一礼すると宮殿を後にした。
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