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揺れる電車の中。
いつものように先輩と二人で笑い合っていた。
「ですよね!!やっぱりシュークリームはカスタードのみの方がいいですよね」
くだらない話題であたしも先輩も笑っているこの帰宅途中の電車が好きなことに気付いたのは先輩を好きだと自覚してからだった。
「うん、俺もカスタードだけの方が好きだよ」
先輩が言った、好きだよという言葉が一瞬自分に言ってくれたような気がして、心臓が跳ねた。
「あっあたしも好きですよ!!」
慌てて言葉を返した為、裏返ってしまった声。
顔が熱くなるのを感じ俯くと先輩は小さく笑った。
「大丈夫だよ、慌てなくて」
向けられている優しい目線に勘違いをしてしまう。
-あたしのこと、好きなのかな?-
勝手な思い込みだとわかっていても考えてしまう。少しは期待したい。しないと片思いなんて辛いだけ。
「先輩って好きな人いるんですか?」
出来るだけ自然に声を明るくして聞いてみる。
期待が裏切られた時に少しでも自分を守れるように。振られた時のショックは結構辛い。
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