声ー夏

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「これ訳やれ」 「これ、全部!?長文じゃん!!」 学校に着いて、早速出された英語と世界史の合計10枚のプリント…とおまけの古典のプリントが2枚。 「いいからやれ。こんなのすぐ終わるだろ」 「終わるかっ!!ここは日本だ!!」 「海外は英語だろ」 「一生日本から出ないからいいもん」 「もんとかお前が使っても可愛くねぇよ」 「うるへー、ていうかお前は数学やれ!!」 工藤がやっているのは数学のプリントでこいつの苦手科目で、あたしの得意科目。 「はいはい、やりますよ」 無駄口を叩く工藤を一発叩いてやろうかと思いながら、あたしは必死に辞書を使って、和訳する。 「ねぇ、これの意味なに?辞書にない」 「ないわけないだろ。どれだよ」 わからない文章があって、聞いてみると工藤は「あぁ」と呟いた。 「なに?わかったの?」 「まぁ、一応」 「なんて意味?」 「…。」 あたしが聞くと何故か工藤は黙ってしまって、少し何やら考えてプリントの空欄に書きはじめる。
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