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―…俺は忘れない。
―…忘れられない。
志望校に落ちて
滑り止め高校は
受かったものの、
その高校は男子校。
あの時のショックは、
カンストしたデータが
バグってぶっ飛んだ時並に
大きかった。
男子しかいない…とか。
俺の桃色青春高校生活は
幕が開く前から
閉じました…って?
やかましいわwwwwww
マ ジ オ ワ タ 。
―入学式の今日、
俺は朝からため息ばかり
ついていた。
そんな俺を見て
中学からの親友、
五十嵐 翔平<イガラシ ショウヘイ>は
呆れたように言う。
「いーかげんうざい。
しょーがねーだろ?
落ちたのはお前が悪い。
まあ、男子校は
大変だろーけど
お互いがんばろーぜ?」
翔平は俺の行く高校より
もっとランクの高い
超有名校に行くため、
この駅で永遠の別れと
なる。さらば親友…!
お前のことは忘れな…
「変な設定つくって
勝手に進めるな、馬鹿。」
「なぜわかった!?
さてはお前、俺に内緒で
読心術を習得したな…!?」
「残念だがお前、
口に出してたぞ。」
「マジすかwwwww」
こんなコントのような
会話をしていると
翔平が降りる駅が
近づいてきていることに
気付く。
「…でもあの超有名校
行くのは本当じゃん。
しかもお互い寮生活
だからなかなか
会えねーしよー…
暇な時は、連絡しろよ?」
「暇なときだけなー。
お前もはやく中2病とか
ニコ厨とかなんとか
言ってないで、
一般人に溶け込めよ?
男子校で孤立とか
寂しすぎるからなw」
相変わらず物事を
ハッキリという男だ。
まあ、こういうところが
好きだからつるんでるん
だけど。
「わーってるよw
なーに、俺の左手に
封じられた真の力を
解き放てば男子校だろーが
なんだろーが平気だ(キリッ
だがまだ力を
解き放つには魔力が…」
「あ、俺この駅だから。
じゃーな、親友。
……頑張れよ。」
翔平はめずらしく
優しく微笑むと俺の頭に
手をポンッとおいて
……行ってしまった。
「…あいつも、男子校
なんだよな。
…大丈夫かなあ、
あいつその辺の女より
綺麗な顔してるし……。」
次会ったとき
"彼氏"とか紹介されたら
どうしようwwwwww
呟き、う"ーん…と
親友のいない寂しさに
負けじと考え込んで
いると、俺の降りる
駅についた。
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