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その日、タカマガハラは穏やかな時が流れていた。
機織殿(はたおりどの)から楽しげな歌声が風に乗って聞こえてくる。
「ヒメ様、ご機嫌でございますね」
機織殿の雑仕女が機織殿を護る、ワカヒルメに声をかける。
「そう?いつもと変わりないと思うけど?」
ワカヒルメの織りなす神衣は、タカマガハラに住まう八百万の神々に愛され、この日も依頼された神衣を作っていたのだった。
「はい、完成!これを中央殿まで届けて参りますから、あとは頼みますね」
そう言うとワカヒルメは、出来上がった神衣を抱えいそいそと中央殿へ向かった。
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