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「着いた…」
溜め息と共に疲労を吐き出した。
夏の二十分がこんなに辛いとは。
というか…
ここ、想像以上にボロボロだな…。
でも二万だからしょうがない。安さが売りなのだ。
「すいませーん!」
声をかけても応答はない。
少し敷地内に入り、もう一回挑戦。
「すいまっせーん!誰かいませんかぁ!」
「うっせぇぇぇ!人の睡眠を邪魔すんじゃねぇ!!」
あんまりではないか。
管理人は?大家は?
なんで出てこないんだよ!
住むなってか!
ここにお前なんか住めないってか!!
んだよもう…
「ありー?お客さん?」
諦めていた奇跡が起こった。
「こ、ここの人ですか?」
「まぁねぇ」
「お……僕、ここに住みたいんですけど管理人さんは…」
「あ~今留守だなぁ。でもなんとかなるわ。あたしんちおいで。」
「有り難うございます!」
やった!
俺って意外とラッキーマンだな。
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