~Prologue・始まり~

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「優ちゃん、それで遊ばないでね」 基也は、それ……と優の手の平のミニバラを指差す。豊の登場で思わずミニバラを掴んでいた優は慌てて離した。 「ご、ごめんなさ~い」 優は焦りながら基也に謝った。 「優、それで遊ばないでよ~」 優をからかうようにニヤつきながら、美花はミニバラに指差す。 「美花~うるさいよ~」 優は美花を睨みながら、掴んでいたミニバラを丁寧に撫でた。 「ほら、そろそろ新入生来る頃じゃない?」 「あ、そうですね。そろそろかも~」 豊が時計を見ながら、校門の方向をチラッと見たので、美花も校門に顔を向けた。 「んじゃ、二人共大変だけどよろしくね」 爽やかにそう言って、豊は基也と体育館へ入っていった。 「いよいよだね~優!」 「うん!なんか、緊張して来た~~!」 二人はワクワクしながら、新入生が入ってくる校門を見つめる。 美花と優は、生徒会メンバーに一年の秋から入った。 優が副会計で、美花が副書記。 美花は倍率の高い生徒会に自分が入れたことが、自信と自慢になっている。 生徒の為に、新しいことを、楽しいことを!って一生懸命なんだよね。桜学園の生徒会は♪ だから、冴島会長がキザなんて笑いながらも、私も優も会長が大好き。もちろん生徒会メンバーとしてね!
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