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荒木が帰ったあとしばらくぼーっと店の前に立っていたが、ため息をつき帰宅をした
「ただいま~」
荒木のことで気が重くて帰宅まで驚くほど時間がかかった
「かなみ~遅くなって悪かったな夕は…」
リビングへ入るとそこにかなみの姿はなく、台所に空の器が二つ逆さまに、さらにラップのかかった生姜焼と箸が置いてあった
「忘れてた…あいつともケンカしてんだった…、まあ夕飯があるだけまし…か」
レンジでチンしてから食べるといつものかなみのご飯だった、うん…おいしい
「さすが俺の料理の師匠だな、まだ敵わんか」
どうやらかなみは本気で俺を拒否ってるわけじゃないみたいだな、そうじゃないと多分おかずまでは取っとかないだろ
「……ぃよし!!」
俺はゆっくりと階段を上がりかなみの部屋へ
「ふー…よし行くぜ」
コンコン
息を大きく吐いてからドアをノックする
『…なんですか』
少し遅れて返事が来る
よし、第一段階クリア!
「俺だ…かずまだ、ちょっと入っていいか」
『兄さんだって事は分かってます。用件はなんですか?用件次第で決めます…』
家ではお兄ちゃんだったのに…、地味に精神的ダメージが大きいぜ、ばっちきしょうめが。内容ほど言葉が刺々しくないのが救いだな…
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