遥かなる戦いの詩

2/24
前へ
/408ページ
次へ
(酒場) 一人の男性が、パブに腰をかけて酒を飲んでいた・・・その男性は、高貴な顔立ちをしていた。 ふと騒がしいパブの中、少年が今まで隅で目立たなく座っていた詩人の手を引いて、彼をパブの中央に連れてきた。 彼は、有名な詩人であり、今日は彼の来訪を知り、パブに人が沢山来ていたのだ。 「遥かなる戦いの詩・・・・・偉大なるアバロンの歴史・・精霊達よ・・この命が尽きる前に歌い終えるように私に力をくれたまえ!」 詩人が楽器を奏で語り始め、詩人に視線を集める。 「かつて偉大な帝国アバロンも当時は、勢力が弱く・・領地は全盛期の半分となっていた・・・」 周りの客が静まり返って、詩人の詩を聞いていた・・・。 「時は帝国歴1000年皇帝レオンの時代、彼には二人の息子がいた・・勇猛なヴィクトールと大人しいジェラール・・・その日末っ子のジェラールを連れ、レオンはモンスターを討伐に出ていた・・・・・」 (封印の地) 皇帝レオン、重装歩兵ベア、軽装歩兵ジェイムズ、狩猟兵テレーズ、そしてレオンの息子、ジェラールがモンスターの巣くった、この地方へ討伐に出ていた。 「陣系は、私を中心にインペリアルクロスだ・・先頭は、いつものように、ベアに任せる」 「はっ!」 かるくウェーブがかかった髪、そして長い髭がレオンの特徴だ。 ベアは、重装歩兵の名の通りに、重そうな全身鎧を身にまとっていた。 「テレーズ、ジェイムズはサイドを固めろ・・・ジェラールは最後尾だ・・いいか、ジェラールが一番安全だ」 レオンが確認をしながら、みんなを見た。 「行くぞ!」 レオンが号令をかけ、彼らは奥地へ進んだ。 この時代世界各地は、戦乱に見舞われていた。 臣下が、主君に反乱を企てて世界の平和と秩序は、大いに乱れた。 かつて偉大なバレンヌ帝国も・・首都アバロンを残し領地は全盛期の半分となっていた。 帝国歴1000年の年・・皇帝レオンの治世中バレンヌ帝国は、レオンの善政の為にようやく不安定な情勢を乗り切った。 皇帝レオンは民を重んじ、モンスターの討伐なども自ら陣頭に立つ勇猛な聖君だった。 (アバロン) モンスターの討伐を終わらせたレオンは、早速アバロンに戻り、いつものように執政を開始した。 (宮殿) 「お疲れ様です、父上!・・ジェラール、無事か?・・・・」
/408ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加