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「ふう、しばらく時間を潰してくる・・・ジェラールは疲れているんだから、ゆっくり休むように」
「兄上も」
ジェラールがそう言うと、緊張が緩んだのか、ふうと溜め息をついた。
「お休みになられなくても?」
「大丈夫」
ジェイムズにそう尋ねられ、ジェラールも辺りを歩き始めた。
「あ、ヘクターおはよう」
ジェラールが、アバロンが誇る傭兵(フリーファイター)のヘクターに声を掛けた。
彼は、父親の代よりアバロンに仕えているジェイムズ達の部隊と違い、レオン皇帝が即位してから雇われた男たちなのだ。
「おはようございます・・戦場に出られたそうで?」
ヘクターがジェラールに尋ねた。
「あ・・うんまぁ・・」
「ジェラール様は、本を読む方がいいですよ・・戦いには、向き不向きがありますから」
多少、トゲを感じさせる物言いでヘクターが外に出た。
「あいつが一番王宮に、不向きだろうに」
ジェイムズが溜め息混じりに、ヘクターの後ろ姿を見送った。
「この前は、フリーファイターたちにレオン皇帝の息子がそんな事で、どうします!?と言われたが・・どちらが正しいのかな」
ジェラールが迷いながらそう呟いた。
「レオン皇帝陛下のお考えが正しいかと・・・やはり、力が無くてはこのご時世を・・・」
「まぁ、やはりその通りだよね・・・・父上が正しいよな」
ジェラールが納得し、いつものように宮殿に仕える幼なじみに会いに行った。
(術士の詰め所)
「ジェラール様おはようございます」
「おはようございます」
二人の術士が、ジェラールに挨拶をする。
宮廷術士男、アリエスと同じく宮廷術士女のエメラルド達が、ジェイムズ、テレーズ、そしてジェラールの幼なじみだった。
「おはよう二人共・・・」
ジェラールが挨拶をすると、エメラルド達が持っている坪に注意を傾けた。
「もしかして・・・・」
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