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「ヴィクトール様が!?・・・・・どけ!雑魚が!」
ヘクターがモンスターに囲まれながらも、ヴィクトールの元に行こうと必死に剣を振るう。
「流し斬り!」
ヘクターが急ぐ中、ヴィクトールはクジンシーにもう一度流し斬りを叩き込んだ。
「!・・・そんな馬鹿な!」
ヴィクトールがクジンシーを見た。
ヴィクトールの流し斬りは、完全にクジンシーの腹部を捉え、手応えはバッチリだったにも関わらず、クジンシーは平然としていたのだ。
「不甲斐ない・・もう終わりか?ならばこちらから行く・・・貴様は、まだ若いな・・ソウルスティール!」
クジンシーがそう叫び、赤い光をヴィクトールに浴びせた。
「!」
ヴィクトールの視界が、暗くなりヴィクトールがその場に崩れ落ちた。
「ヴィクトール様!ぐっ!」
ヘクターの腕に、モンスターが噛みついた。
「なにしやがる!!・・・ぐわっ!?」
バランスを崩したヘクターが、城壁から転げ落ちてしまう。
ヴィクトールが倒れ指揮が崩れたアバロンは、城門を急いで閉じ、クジンシーの侵入を防ぐしか無かった。
「・・ち・・まぁこれだけ痛めつけたら、いいだろう」
クジンシーがそう言って、アバロンから姿を消した。
「ヴィクトール様が・・・馬鹿な」
城壁から落下して、怪我を追ったヘクターが痛む体を起こして、残ったモンスターを討伐する。
「く!」
「何事だ!?」
入り口から、レオン皇帝の声がする。
クジンシーと入れ違いでアバロンに戻って来たのだ。
「レ・・・オ・・ン様」
ヘクターがそう言いかけて、気を失った。
「ヘクター!?しっかりしろ!!」
「一体何事が起きたのだ!?・・・・・ヴィクトール!!」
レオンが市街の中央に倒れているヴィクトールを見つけるや、すぐに抱き上げて、事情を尋ねた。
「・・父上・・クジンシーが・・・・・流し斬りが決まった・・のに・・・・」
「兄さん!?」
「バカな!目を覚ませ!・・なぜ外傷がないのに!?」
レオンが必死に、ヴィクトールを揺するがヴィクトールは、目を開ける事なく旅立ってしまった。
「ヴィクトールゥゥ!!」
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