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「・・・用心にこした事は、ないですがね・・・・・・すいません、少しだけ席を外します」
ヘクターがそう言って、トイレ向かうために部屋を出た。
ヘクターが、宿屋からでて野外にあるトイレに向かっていた。
「まだ屋外にトイレがある地方があるなんてな・・・・・・・」
ヘクターが不機嫌そうにつぶやきながら、薄気味悪い暗闇の中をトイレに向かって歩いていた。
『なんか出そうだな・・・・・』
辺りは、変な鳥の鳴き声を始め、木々のざわめき・・・・それら、自然のオーケストラが薄気味悪い雰囲気を促進していた。
「うっ・・・気味が悪い・・・・・早く用を足すとするか・・・・・・・」
下腹部が縮こまるような感覚を覚え、ヘクターが急いで屋外トイレのドアに手をかけた。
「あれ?・・・・・誰か入っているのか?」
コンコン・・・
ヘクターがドアを軽くノックした。
しかし、ノックに対する返事がない・・・・・・
「・・・もしもし!小便を我慢しているんだが」
ヘクターがドアに向かって話し掛ける。
すると、トイレのドアが独りでに開いた。
「あれ?・・・・・・・なんだか嫌な予感が・・」
ヘクターがそう言って、トイレに入った。
「宿屋の主人め・・・・・客が来ないからって、トイレを整備しないからドアが・・・」
ヘクターが先ほどのドアが開かなかったのは、宿屋の主人のせいだと考える。
「さて・・・・・・・ん?」
ヘクターが違和感を感じた・・・・
「あれ・・・となりにも個室・・・・・?」
入った時は気がつかなかったヘクターが、となりの個室を見た。
ピチョ・・・ピチョ・・・・・
水滴が微妙に、滴る音が静かに響き渡る中、ヘクターは見てしまった・・・・・・暗闇の中、出血をしたまま倒れる女を・・・・
「ギャァァ!?」
「!」
アリエスが悲鳴のような、声を出すとみんなが驚いた。
「さすがだなアリエス・・・・・君は昔から、怪談がうまかったからな・・・・・」
少しだけ脈拍が早くなったジェラールが、アリエスを見た。
どうやら、キャットの報告を待っている間、暇だったせいか怪談話をして時間を潰していたのだ。
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