1804人が本棚に入れています
本棚に追加
「隣、良いかしら?」
「あ、はい。どうぞ。」
結衣さんの言葉で現実に引き戻される。
「ありがとう。」
彼女は僕の隣の席に移動する。
「こっち向いてもらえる?」
「はい、わかりました。」
言われなくてもそうしようとしたけど、わざわざ彼女がそう言ったのはそれだけ重要なことなのだろう。
生徒会を辞めてほしい、とか?
有り得そうで怖い。
そんなことを思いつつ彼女の方を向く。
改めて彼女を眺める。
腰まであるたっぷりとした長い髪。
綺麗な睫毛。
吸い込まれそうな漆黒の瞳。
ぷっくりとした紅い唇。
出るところは出て、そしてそれ以外は引き締まっている身体。
肌は雪のように白い。
「やっぱり結衣さんはすごく綺麗ですね。」
思わず口から出てしまうほど、綺麗な女性だった。
「え…!」
それを聞いた彼女は見るからに動揺した。
「えっと……あ、ありがとう。でも、今は大事な話があるから置いといてくれるかしら?」
「あ、ごめんなさい。」
「ううん、良いのよ。」
コホンと彼女は咳をひとつした。
最初のコメントを投稿しよう!