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そのヒビは瞬く間に広がり、崩れ去った。瓦礫となったコンクリートの中から、鉄筋が剥き出しになった。
背中にいやな汗が流れる。あんなのに当たったらただではすまないだろう。
「ちっ、めんどくせーな」
学ランの男が言った。
「てめーのせいで今までせっかくの準備が台無しだ。どう落とし前つけんだ?あぁ?」
「つかお前もわかってんのか?あれは違法の兵器だ。壊してなにが悪い」
体中痛むが、余裕を見せて俺は答える。一対一において相手に隙を作ってはならないのだ。
そう、俺はコイツと殺り合う前にミッションである兵器の破壊活動を行った。
兵器というのは、パワードスーツの一種が数機だった。
形は人型。直に人が乗り込み操縦する。
あいつらはそれに機関銃とか物騒な物を取り付けていた。
しかもパワードスーツの方も規定の物より数倍のパワーが出るように違法改造されていて、電車一両くらいなら軽くひっくり返せる程だった。
それを破壊し終わったら後は報告して帰るだけ・・・のはずだった。
しかし、どこからともなく現れたコイツに見つかり、今に至る。
事前のブリーフィングでは誰もいないはずだったのにな・・・・・・。
ブリーフィングを信じきった俺が悪かったのか?
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