主人公登場

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運良く近くに階段があったので一階降りれた。ただ、一瞬炎に呑まれかけたので紫色の魔法陣を展開し防ぐ。 "1980" 表示を見ると、そうあった。しかし、その数値は徐々に増えていく。だいたい一秒毎に一のペースで。 リアクターは消費した分はマナ粒子を取り込み徐々にチャージされていくのだ。 さて、これからどうするか?下へ降りながら考える。 あんな派手にやったんだ。アイツは俺を焼き殺したと思い込み、満足しているだろう。今がチャンスだ。 違法兵器の破壊のミッションは完遂しているな。アイツと戦う必要はない。あとは逃げ切―― ピシッ――――! 何か、イヤな音がした。ゆっくりと上を見るとどんどんとヒビが広がっていくコンクリートがあった。 それと、ズン、ズンという、この廃ビル全体に広がるような鈍い振動。 「マジかよ?!」 ズガンッ!!! 上の階とこの階に、トンネルが開通した。 アイツ、上の床を殴って穴をあけやがった! 砕けたコンクリート片が周りに飛び散り、その上に学ランを着崩した男が着地する。 再び対峙する、俺と男。 まさか、人間の腕力で鉄筋コンクリートを開通させるとは・・・・・・。 「お前、ほんとに人間か?」 「さあ・・・・・・なぁっ!!」 瞬きする間に、数メートルという距離を詰める。どう考えても、人間の動きじゃない。 魔法陣で受け止めるが、まるで障子を突き破るように一発の拳で砕け散る。 「!!?」 「さあ、死ね!」 またとっさに魔法陣を展開する。今度は、二枚重ねで。それでも割れそうになったが、なんとか受け止める。 "950" マジかよ、と目を疑う。マナの消費が、思っているのよりも越えていた。 防御の時の消費量は、相手の攻撃の強さに比例するのだ。これは、明らかに人間が出来ることではない。
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