序章

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瞬間、大きく振りかぶった、ちょっきさんの手の動きが止まる。 そして、振りかぶった携帯電話を目の前まで持っていき、その画面をまじまじと見つめる。 「Uの悲劇…?」 訝し気に画面を見つめるちょっきさんを見て、私は、『しめたっ!』と思った。 『興味津々の今なら、話しを切り出せる!』…と。 私はすかさず言った。 「kusogeでBL小説読もうとしたら、急にその画面になっちゃったんです…」 …今私が口にした、『kusoge』というのは、今、ちまたで話題沸騰中の、あの、ゲームもできて小説も読めるという、なんとも素敵な携帯サイトのことだ。 確か少し前までは、『クソゲービレッジ』という名前だった気がする。 そんな、またしても神(モバ●ゲー)様からの怒りをかって、強制非公開をくらいそうな説明はそのくらいにしておいて、ちょっきさんが再びつぶやく。 「…これ、“Kの悲劇”のパクリだろ…」 今、ちょっきさんが発言した『Kの悲劇』というのは、先月、ちょっきさんが公開をして、NT●Tの全株を買い占められるくらい興行的に大ヒットを博した、超本格派携帯推理小説のタイトルだ。
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