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「お姫様方。ようこそいらっしゃいました」
部屋のインターホンが鳴って。
当たり前な話だが、ジゼルが流暢な英語で言いながら扉の向こう側にいた二人を室内へと招き入れる。
中に通された凛は、あまりに豪華な部屋の造りにポカンとしていたが……。
アキヒサはもう見慣れたものなのか。
凄いでしょ? ここの他に部屋が三つもね……なんて、凛に説明してやっている。
と、ジゼルにも何か話しかけられて……。
凛。
お前、絶対何言ってるかわかってないだろ。
笑ってる顔が微妙に引きつってるぞ。
と、それはまぁさて置き、だ。
コイツはなんて格好してんだよ。
羽織っていたコートの下から現れたのは、ベアトップの黒いシフォンのワンピース。
胸元には俺が贈ったピンクサファイアのネックレスが光っていて。
生足……だな。
太股がチラチラと見え隠れするその丈に、思わず視線が釘付けになる。
薄く化粧をした顔に、滅多に結い上げない髪を今日はアップに纏めていて。
その首筋からほのかに薫る甘い香水の香りに、俺はそこに噛み付きたくなる衝動を抑え付ける事に必死だった。
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