ダークラムをロックで

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 その日以来、私はカフェカーミラの常連になった。  だが、あの日以来、一度も千夜さんは牙を立ててくれない。  他に客がいたりということもあったが、週に4回は通ったにもかかわらず、そぶりすら見せてくれなかった。  ジントニックは相変わらず極上だし、居心地もいい。だけど、あの血を吸われる時の身震いをするほどの快楽を忘れられそうもない。  今日も期待と美味い酒を求めて石段を上がり、扉を開ける。 「いらっしゃいませ」  穏やかな笑顔の千夜さんがいる。今日は他に客はいない。 「このところ、ほぼ毎日ですね」  ジントニックを作りながら、千夜さんはそう言った。 「うん、まあね」  私は曖昧な返事を返した。 「ま、だいたい何が目的かわかりますけど」  そう言って、微笑んだ。  どきりと心臓が高鳴る。期待がぐっとふくらんだ。
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