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会話に入りづらいが、逃げられないという、なんとも居心地の悪い状況を少しでも変えたくて質問を投げかけた。
「えーと、カナさんは千夜さんと同じで、えー……と、吸う人?」
彼女はニヒヒと笑った。
「ちゃうよ。ウチはそうちゃう。こう見えても神様やねん」
言われても信じられるわけがなかった。だが、千夜さんのことを知らなかったら、ただのイタいキャバ嬢だ。
「カナは北に抜ける国道の真ん中に音岩って大きな岩の神様なんです」
千夜さんはさらっというが、その神様がキャバ嬢みたいな格好していたら説得力のかけらもない。
「信じてへんな。ま、ええけど」
そう言って、またニヒヒと笑う。
「千夜ちゃん、次マイヤーズ、ロックで」
いつのまにか彼女のグラスが空いていた。
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