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はぁ、とラムを飲み干した後のため息は甘い香りがした。
「あかんわ。もう、祟るん。嫌や」
カナはぽそりとそう言った。
「ようやく本音が出てきた」
千夜さんがにこやかにそう言った。
ここから先は女だけの方がいいだろうと思い、懐から財布を取り出した。
しかし、その手をカナがしっかりと押さえた。
「ここまで飲んだんやから、最後まで聞いてき」
すこし涙声になっていた。
「ウチなぁ。今日は好きなひとに告ろうと思ててん」
語り始めたカナの前に千夜さんはチェイサーの水を置いた。そして、何かスイッチを切る音がした。
目の前に氷が詰め込まれたアイスペールに、マイヤーズの瓶が並ぶ。
そして、千夜さんはサロンを外しながらカウンターから外に回ってきた。
「それで、どうしたの?」
千夜さんはカナの隣に座ると優しく声をかけた。
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