第一話

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  ――――――― 「それでも良いから」 「……あ」 「俺が、忘れさせてやる」 「…う、ん」 「だから……なあ……」 断っても断っても、何度も想いを告げてくる男友達。 叶わない恋なんて、するだけ無駄なんだと……私を洗脳するかのように。 「私、傷つけるよ」 「うん」 「絶対、絶対絶対絶対、傷つけるよ」 「うん」 「それでも、良いの…?」 「当たり前だろ。そのために、俺はいるんだから」 微笑みを浮かべて、私を見つめる。 この人はきっと分かっているのだろう。 何をしたって、どんなに尽くしたって、私の気持ちが自分に向くことはないと……きっと、分かっている。 「うん……よろしく、お願いします」 そんな優しさに、私が甘えない訳が無いということも。 頬を赤くほてらせて、「ありがとう」と幸せそうなこの人。 「俺……頑張るから」 「……うん」 そうして、1ヶ月もしないうちに、別れを告げる。 「ごめんなさい。やっぱり…無理なの」 恋人ごっこを繰り返していた、中1の春。 そんな時、あの人に出逢った。  
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