喋れないからなんだ

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リゾットと別れ、カリシアはAクラスに入る ガラガラと扉を開くと中にいた人はみんな視線をこっちにやる カリシアは学園内では有名だ カリシアは辺りを一回り見る カリシアの出現により、みんなヒソヒソと話し始める 「まさかこのクラスに来るとわねぇ・・・」 「ねぇ・・・」 有名と言っても、良い方では無いが テキトーに空いてる場所に腰を下ろす 始業式までまだ時間はある カバンの中から父に任された書類を取り出し、軽く仕事を始める 出来る時に出来ることをする 書類等の家の仕事は面倒だが、こうでもしないと終わる物が終わらない。 貴族も楽ではないのだ 「ねぇねぇ、君、もしかしてあのカリシア君?」 後ろから男性の声が聞こえる カリシアは手元にあったスケッチブックに書き綴ると後ろを向かずに上にあげる 「(そうだが?何か用か?)」 後ろからは沈黙がやってくる まぁ、ただの物珍しさで話しかけてきた輩だろう 大抵、話しかけてくるやつはそういうやつだった 「いや~、去年は一緒じゃなかったから、良かったら友達にならない?」 そんな声が聞こえる ここまでも予想済みだ カリシアは仕事の手を止め、後ろに振り返る 「やっとこっちを見たか」 そこには爽やかそうに笑う男が映った 髪の毛の色はカリシアと同じ赤 「なってくれるかい?」 「(何を求めてるんだ?)」 「いや、得に、ただクラスに友人が居なくてね~・・・君もそうじゃないか?見たところ、他の『4貴族』は居ないようだけど」 確かに、去年は俺達貴族で纏まっていただけで他との交流は全くと言って良いほど無かった
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