喋れないからなんだ

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朝食は和やかに進んだ。 途中、父上が追加注文をしたり、マッシュが気が抜けたようにスープを零して隣のメイドに拭いてもらってたり、父が母に殴られたり(!?) そんな朝食も過ぎ、今は準備を済まそうと自室に戻っている 今日から『学園』へ行くのだ。 自分は2年目になり、一つ上に行く、それに今日から新入生もくる そう考えると新しい生活が少しだけ楽しみになる。 自然と、カリシアの心が浮いていた 「坊ちゃま、そろそろお時間ですよ」 「(わかった)」 スケッチブックを鞄に入れ、部屋をでる。 外には既にメイド達や、シェフや庭師、等の使用人達、そして家族の父と母が出迎えてくれていた 「息子よ、頑張って精進してこい」 「いい?体には気をつけるのよ」 カリシアはコクリと頷く この家に来るのは次の連休、夏休みになる つまり、家族達に会えるのも夏以降になる だがもう慣れた。 声を発せないが、カリシアは口を動かし 「行ってきます。」 と、言った。 しかし、みんなはそれに気づいている 「「「「いってらっしゃい(ませ)!!!」」」」
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