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馬車が揺れる。
カリシアは流れる景色に目を動かし、ボーッとしている
「良いですか、坊ちゃま、いくら新入生が来るといい、年下といい、坊ちゃまが喋れないと分かると偉そうになる人もいると思います。」
それは分かっている。
去年も・・・今卒業している者達にバカにされた記憶がある。
喋れない=魔法が使えない
それがこの世界の方程式だ
しかし、過去に一人だけ、その方程式に当てはまらない人がいた
それが『魔女』だ
魔女は言葉を紡ぐ事もなく魔法を放つことが出来たという
つまり・・・
この方程式は間違っている・・・
そんな事を考えていると、学園の門前に着いた
他の生徒は歩いて登校してきていたり、春休みを寮で過ごしたり、1日前には来ていたり、と、している。
「行ってらっしゃいませ」
マッシュはニコリと笑う
カリシアもこれに頷きで答えた
「行ってらっしゃいませ、お嬢様」
「うん!!」
カリシアの隣にも馬車が止まり、同じようなことをしている女性に目がいく
その視線に気づいたのはその女性はこちらを向くと、満面の笑みを浮かべた
「カリシア!!!!久しぶり!!!」
「(久しぶり、リゾット)」
青いポニーテールを揺らしながらこっちまで走ってくる友人、リゾットに挨拶をする。
「奇遇だね、一緒に行こうか!」
カリシアはコクリと頷くと二人で一緒に門をくぐった。
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