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右手で傘を差し、左手で携帯を
操作する。
検索したのは、彩音。
遅くなったからさすがのあやねも
膨れっ面してるかな?
彩音の膨れっ面を期待して、
通話ボタンを押すが、彩音の携帯は
電源が切られていた。
バス停まで歩く間に、もう一度、
コールしてみたが、やっぱり電源は
切れている。
どうしたんだよ。あやね。
✉「連絡くれ。」
メールも送ってみたが、
返信が返ってくるはずもない。
電源は切れているのだ。
こんなときこそ、
彩音の声が聴きたかったのに…。
バス停の向かい側のカーブミラーに
剛流が乗るバスが映った。
それを見て
携帯を持ったままの手を挙げて、
剛流はバスを停めた。
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