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もうひとつは、
メールを送ってきた彩音(あやね)の顔が思い浮かんだからだ。
サッカー部の剛流に、彩音が告白したのは、4年前のこと。
あどけない子供の仕草が残る、
ふたりが中学一年生の頃だ。
部室裏で先輩たちのシゴキに耐える
剛流の姿を見かけた彩音は、
その日の帰りに、剛流を待ち伏せ
するという大胆な行動をとって、
「その傷、私が癒してあげるから
彼女にして。」
大胆で、衝動的とも言える
彩音の告白劇に、
剛流は大爆笑をしたが、
まるで、お試し期間のように
交際は始まったのだ。
4年が経って、
あの時のことを剛流が茶化すと、
彩音は、
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