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「じゃあその例のカード見せてくれない?」
「あ、はい」
悠真はかなたに言われるまま、何も書かれていないカードを渡した。
「これは……!」
「どうしたんですか?」
「え・・・あ、ううん何でもないよ」
カードを見て一瞬険しい顔をしたかなただったが、咲に声をかけられ慌てたように平静を装った。
「なら良いんですが・・・」
「神坂先生、雅の部屋は何処なんだ?」
流也がふと、かなたにそんな事を尋ねる。かなたはにっと笑いながら、
「雅ちゃんは奥に行ってすぐ左の部屋だよ」
と教えた。それを聞いた流也はかなたに頷くと、すぐさま部屋へと向かった。
「流也君速いね~、でも病院内で走るのは感心しないな」
「あはは・・・それじゃ僕達も雅の所に向かいます。お忙しい所ありがとうございます」
「気にしないで良いよん、今患者居ないし」
かなたのこの返事を聞き、悠真と咲は再びかなたの医者としての腕を疑いながら部屋へと向かった。
「入るよ」
「おう、来たか二人とも」
悠真が一言言ってから入ると、流也が返事をした。
「すぅ・・・すぅ・・・」
「さすが神坂先生ですね、雅さんの怪我がほとんど見る影もありませんよ」
「確かに包帯とかもあんまりやってないね」
悠真達はほとんど怪我がきれいさっぱり無くなっている雅を見て、かなたの事を尊敬した。
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