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「なあ、ところでこいつについてお前らどう思う?」
流也はふと悠真達に身体を向け、雅の持っている何も書かれていないカードをちらつかせる。
「どう思うって言われても・・・」
「ただ、持っているとろくな事はないって事だけは分かります」
「ああ、だからこのカードはどうしたら良い?」
流也は何も書かれていないカードの処遇をどうするのかを決めたいようだ。
「本来なら雅には悪いけどさっさと処分するべきだと思うよ」
「私もそれには同意します。しかしそれを知った雅さんが何を言うか・・・」
「雅には怨まれたくねぇな・・・」
三人は雅の反応が怖いため、カードを処分したくても処分出来ない事に頭を悩ませていた。
しばらくして、かなたが病室に入ってきた。
「はいは~い、皆そろそろ帰る時間だよん」
「もうそんな時間ですか?」
「うん、だからまた明日おいで。どうせ明日土曜でしょ?朝一で来なよ、開けといたげるから」
「あ、はい。ならそうさせてもらいます」
悠真達は明日朝一で雅の様子を見に来るという事で、今日の所は帰る事にした。
「それじゃ失礼します」
「うん、またね~」
かなたは病室で悠真達が帰っていくのを見送った後、雅の方に向き直りベッドの横にあった椅子に座った。
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