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「・・・うん、どうやら封印されたカードを使った時の疲れで倒れちゃったみたいだね。しばらく休めば大丈夫」
「良かった・・・」
雅が倒れた後すぐに悠真達は雅を病室に運び、かなたが倒れた原因が疲れによるものであると診断した。
「雅ちゃんは少し無茶しすぎだね」
「確かに・・・」
「雅は何かをやり出すとやり遂げるまでやめないタイプですからね」
悠真はため息をつき、心配そうな表情で雅を見た。
「それは分かってるよ。とりあえず今日はもう帰った方が良いんじゃない?お昼時にもなるし」
「でも・・・」
「良いから帰った帰った!雅ちゃんの事は私にまっかせなさい!」
「おわわわ!分かったから押さないでくれよ先生!」
かなたに無理やり病室を追い出され、悠真達は雅の事を気にしながら渋々帰っていった。
「さーて・・・もうこそこそ隠れてなくても良いよん♪」
かなたは突如ドアの方を向きながらそう言うと、外から一人の少女が入ってきた。
「先生、雅ちゃんの様子は・・・」
「ただの疲労だから気にしないで大丈夫だよん、ウィンダちゃん」
ドアの外でこそこそと隠れていた少女とは、雅が持っているカード、ガスタの巫女 ウィンダであった。無論カードが喋っている訳ではなく、ウィンダそのものの姿である。
「それなら良かったですー♪」
「それにしても何で隠れてたの?私以外には見えないのに」
かなたはウィンダが隠れていた事に疑問を持つ。それもそのはず、ウィンダはあくまでもカードの中に宿る精霊、普通の人には姿は全く見えないからである。雅達の中ではカードの中に宿るウィンダを持っている雅を差し置いて、かなただけが精霊が見えるのである。
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