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「えっ、いやえとー・・・ちょっと入りにくかったので・・・」
「あ、ああそう・・・それより今日は他の皆は居ないの?」
「あ、居るには居るんですけどー・・・」
ウィンダはドアの方を不安そうな顔をしながら見る。すると、そこから突然カードの精霊達が一斉に押しかけてきた。
「もう!カムイ押さないでよ!」
「だってマスターが心配なんだからしょうがないじゃん!」
「お前達病院内では静かにしろ!」
ガスタの静寂 カームとガスタの希望 カムイが入るや否や口論を始めると、後から入ってきたガスタの賢者 ウィンダールが二人を怒鳴りつけた。正直怒鳴りつけたウィンダールが一番声がでかい。
「お父上さんが一番うるさいよん、まあ他の人には聞こえないから良いけどさ」
「む、それはすまない先生」
「とまあこんな感じで皆心配のあまり気が動転してまして」
「動転してたのかなぁ?まあ良いや。それより雅ちゃんの見舞いをしに出てきた以外に目的は?」
かなたはウィンダール達の行動と言動に、気が動転していたのか疑問に感じたが、特に気にせず話を変えた。
『今の所は特に何も』
「ああそう・・・てっきり私はあの封印されたカードの事について何か聞きに来たのかと思ってたのに」
「残念ながら私達はそのカードについては何も知らないので・・・」
ウィンダが何やら申し訳なさそうにそう言うと、かなたはそんなウィンダを見てこう返した。
「ああいやいや、別に気にしなくて良いからそんな顔しないでウィンダちゃん」
「はい」
「時に先生、我々のマスター、雅の様子だが・・・本当に疲労だけなのか?」
ウィンダールは先ほど入ってきた時とは雰囲気が変わり、真剣な面持ちで尋ねてきた。
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