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「うーん、そっか。でも皆が雅ちゃんに見えるようになるのはもう時間の問題だと思うよん」
「と、言うと?」
神妙な顔をしながら尋ねてくるウィンダールに、かなたは何やら勝ち誇ったような顔をしながら、こう返事をした。
「雅ちゃんにはこの封印されたカードの声が聴こえるようになったんだからね」
「ふむ、そのカードの精霊が雅に干渉した事で、我々のような精霊達も見えるようになると・・・」
ウィンダールはかなたの推論がほぼ正しい物であると感じ、納得したかのように頷いた。
「そういう訳♪」
「さすがかなた先生!」
「まあ、百パーって訳でもないんだけど」
かなたの事を持ち上げるカムイに、かなたはハードルを下げるためにそう呟いた。
「それより雅ちゃんはまだ起きないんですか?」
「まだ起きないと思うよん」
「まだ倒れてから少ししか経っていないでしょ、ウィンダ」
「あれ、そうだっけ?何か病院だと時間の感覚分かんないや」
ウィンダは随分と時間が経っているように思っていたみたいだが、実質ここまでのやり取りでもまだ三十分と経っていない。
「そういや先生、その封印されたカードってやつについて教えてほしいんだけどさ」
「ん、何かな?」
カムイがふと思い出したように質問してきたので、かなたは問いかけた。
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