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「ええっ?どうすれば良いんですか?」
「自分達の世界に行けるんならこのカードの中に入れば一発で辿り着けるんじゃないかなーと」
「む、無理!無理ですよそんなの!」
かなたからの無理難題に、ウィンダは全力で拒否をする。
「うーん、そっか。仕方ないかぁ……君はいつになったら顔をまた見せてくれるんだろうね?」
「まあ、恐らく神の力を宿しているんですから必要な時が来れば自然と出ますよきっと」
「そうだと良いんだけどねー」
かなたはカードをジーッと見ながら、未だに動きを見せないモンスターに、皮肉っぽくそう呟く。
「それにしても雅ちゃん起きないですね・・・添い寝しよ♪」
「何でそう行き着いたかは知らないけど良いんじゃない?」
「それじゃかなた先生おやすみなさーい♪」
(ただ単に眠くなっただけじゃないのかな?あれは・・・)
かなたは雅のベッドに入ってすぐに眠りに着いたウィンダに対して、添い寝は口実ではないのかと疑う。その時、ウィンダが雅の身体に触れたのか否かは定かではないが、雅が微かに動いた。
そして・・・
「んー・・・何か、今腕に感触が・・・」
「雅ちゃん、どう?身体の調子は」
「かなちゃん先生・・・って・・・」
「んー、あっ、雅ちゃん起きたー♪」
ウィンダを目視出来たのか、雅はウィンダの方を見て硬直する。何も気付いていないウィンダは、雅に抱き付いた。
「え?ええっ!?この子・・・ウィンダ!?」
「うん、間違いなくウィンダちゃんだよん」
「あれ、触れるよー?雅ちゃんが私を見れるようになったからかな?」
「どど、どういう事!?」
「ああ、はいはい。今から話すから落ち着いて雅ちゃん」
かなたは混乱している雅に、精霊の事、精霊が見えるようになった事を、自分の推測を交えて話し始めた。
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