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Violetは(発音が聞き取れなかったのでそのまま記します)ひたすら無垢な娘でした。接吻をするとキャッキャとはしゃぎ、子どものように甘えてきさえしました。私は彼女を連れて蝸牛の市を回りました。彼女は目を輝かせハッカ水やふくれ菓子をねだります。
顔立ちは紫そのもので、子供の頃の彼女はこんな風だったのかと思いを巡らせました。生まれて始めて蝸牛の市が生き生きとしたものに思えました。私はつい高級なあんぱんさえ買い与えてしまいました。
彼女はその金の髪に布をまいていました。目立たぬようにという配慮のもとだったのですが、帰ってからそれは杞憂だったと知りました。
彼女は無垢な少女から蓮っ葉な娘に生まれ変わっていたのです。
それが三重でした。
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