プロローグ

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プロローグ

新入生としての初々しさが徐々になくなって来た5月の下旬。 俺は登校中たまたま視界に入った女の子が気になり、何気なしに視線を向けた。 普段の俺なら考えられないから、あの日の事はきっと決められていた事なんだろうと思う。 別に昔見た事があるわけじゃない。 別に彼女に運命を感じたわけじゃない。 それでも何故か気になって、俺は彼女から目が離せずにいた。 彼女も多分俺のことを見て居たんだと今ならわかる。 けれど、何一つわかっていなかった頃の俺は何も感じることなく、彼女を見ていた。 その日が始まりの日。 その時が始まりの時。 高校生という肩書きに慣れてきた5月の下旬。 何も考えずに生きていた16歳の春。 この日・・・・・・俺は死んだ。
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