4人が本棚に入れています
本棚に追加
プロローグ
新入生としての初々しさが徐々になくなって来た5月の下旬。
俺は登校中たまたま視界に入った女の子が気になり、何気なしに視線を向けた。
普段の俺なら考えられないから、あの日の事はきっと決められていた事なんだろうと思う。
別に昔見た事があるわけじゃない。
別に彼女に運命を感じたわけじゃない。
それでも何故か気になって、俺は彼女から目が離せずにいた。
彼女も多分俺のことを見て居たんだと今ならわかる。
けれど、何一つわかっていなかった頃の俺は何も感じることなく、彼女を見ていた。
その日が始まりの日。
その時が始まりの時。
高校生という肩書きに慣れてきた5月の下旬。
何も考えずに生きていた16歳の春。
この日・・・・・・俺は死んだ。
最初のコメントを投稿しよう!