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「ダメです……効きません……」
青年が再び息を吹き返すことは無かった。
諦めて外に出ようとしたその時だった。
「……だれ…だ……」
「え!?」
その声に慌てて振り返ると、先程までぐったりしていた青年が、炎を思わせるような真っ赤な瞳で少女を見ていた。
「良かった……目が覚めたんですね!」
少女は、目覚めた青年に駆け寄り、手を握りしめると。予想外にも青年は少女の手を払い除け鋭い視線を少女に向けた。
「だれだと聞いたんだ、それ以上は口にしていない」
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