秘密

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―9月― あたしは後ろから2番目の窓際という最高の席で、窓の外を眺めていた。 教室には次々と登校してきた生徒達が、話している 「夏休みさー彼氏と海行ったんだよねー」 「まぢ!いいなー」 「それでさー彼氏がさ…」 「キャーキャー」 そんな会話が耳から入ってくるがあたしは特に気にせず、ボーッと窓の外を眺める 「おはよっ……………!!」 慌ただしく教室に入ってきた女子生徒は、自分の席にも着かず あたしの席まで歩み寄ってくる 「沙梨華、おはよ」 「りゆ、おはー あっ!それより、聞いて聞いて」 沙梨華は、相当嬉しい事が あったみたいで、その場で 飛び跳ね、ポニーテールを揺らした。 「あのねぇー藤原先生が病気で…しばらく入院するんだってー それで、代わりに新しい先生が来るんだけどー それが、新しい先生がーイケメンらしいよっ」 ああ…これが原因か…… 浅野 沙梨華 彼女は大のイケメン好きだ この学校のイケメンは 入学式の次の日に全部チェックしたぐらい、イケメンが大好きだ でも…驚く事に、彼氏は イケメンじゃないほうがいいらしい………。 そして、沙梨華は この学校で唯一あたしと仲良くしてくれている あたしは、過去に色々あって 人と触れ合うのが怖い…… そのためか、いつも下を向いて、暗いオーラが出ていて、近寄りにくいと…沙梨華に言われた… このままでいけないと 思いながらも 臆病なあたしは中々前へを踏み出せずにいた。 「よかったじゃん、沙梨華」 「うん、もう―ラッキーだよっ でね…… 」 興奮した沙梨華がさらに口を 開こうしていた、その時だった HRを知らせる チャイムが鳴った。 .
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