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「……」
暗闇の中。
木の上に、二つの紅い光があった。
その木の下に一人、女性がいた。
「ねぇ、今から会えない?…うん、いつもの公園で……」
どうやら彼氏にでも電話しているようだ。
「うん、じゃあね…」
ピッ。
その女性が電話を切ったその時。
バッ!
木の上から紅く光る目が女性の背後に降り立ち……
「…?」
ザッ!!
首筋に牙を突き立てる。
ガブッ。
「っ…!?」
しばらくその紅い目を持つ者は噛みついてからしばらくして、噛みついた場所を舐めて、離れていった。
「……」
噛まれた女性はしばらく立ち尽くしていたが、すぐに意識を取り戻し、
「はぁ、まだ来ないかな……」
何もなかったかのように彼氏を待っていた。
女性の首筋はいつものようにほくろ一つ無かった……。
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