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ゆう姉の凶行。
その事実を求めて事件の新聞や雑誌を買い漁った。勿論両親には内緒で。
けれど、どれもこれも似通った内容の真実味のないものばかり。
『内向的で優しく真面目。
そんなことするような…。
問題のないいい子。
少し変わっていた。
孤立していた。』
自殺をした。犯罪をおかした。そのたびに晒されるテンプレート。
そして最後には
『〇〇の影響を受けた~~』
事件にかこつけての叩き騒動に変わり、いつしか話題はズレていく。
学校側もテンプレート。
『いじめはなかった。
確認できていない。
そんな事実はない。』
ゆう姉は勢いのある人ではあった。
それでも、ちゃんとしたことはいつだって理由があった。
ゆう姉にも理由があったはず。
けれど当人はもういない。
死人に口なし。
ならば、もしかしたら。
直人はそこに至るとすぐに電話をした。
宗教ではないけれど、誰かを亡くした人が宗教を頼るようになるのはこんな理由があるかもしれない。
直人が頼ったのは幼なじみの水無月ミキだった。
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