自殺女神

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呆然とニュースを見つめていた。 『見たか?』 少し落ち着いたのか声量が小さくなった電話の先に携帯を耳にあてがってああと応えた。 これで四人目になる死人に鳥肌がたつ。 『それで……先輩がヤバいんだよ』 「は?」 耳に入る声は固く暗くなっている。 『先輩のクラスの奴だったんだよ。最初に自殺した女子。いじめてた奴は死んだ三人が主犯らしいんだけど……先輩が殺されるって』 意味が分からなかった。 司の先輩とやらが自殺したあの女子のクラスメイトで、今朝と今のニュースに出た男子がいじめの主犯。 そこまでは理解したが何故、その先輩が殺されると言うのだ。 沈黙している間に何を考えていたのか分かったのか司はまた話しだした。 『クラス内で当たり前だったんだって。だから、先輩は見て見ぬ振りしてたんだ。共犯者になるって』 「待て。誰に殺されるって言うんだよ?女子の両親とか彼氏か?だったら警察に言った方がいいだろ」 自身から出された現実的な答えが今の問題と異なるものだと分かっていた。 何故分かったか分からない。だが、すぐに当たっていると知る。 『黒髪の……首を吊った女』
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