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それを横目に見ながら窓の外を見た。
昨日一度上がった雨は梅雨ですからとばかりに朝にまた強く降り出していた。
真横からミキからの毒舌攻撃受けている情けない司の声が聞こえてくる。
「今回だっていじめが原因だって言うからまた次々死ぬじゃないかって――」
そんな声が聞こえた瞬間人を見た。
くしゃくしゃに歪んだ酷い顔が斜めながらに見えた。
それは一瞬のことで唖然としたが、次の一瞬には身体は動いた。
窓の鍵を開き全開にすると土砂降りの雨の音と水の匂いが一際強くなった。
ばっと下を覗き込んだ。
「ん?直人何やってんだよ?雨入るだろ?」
呑気で間抜けた司の声が背後から聞こえたが視線は動かせなかった。
隣に誰か来た。
「…木野くん。どうやら願いが叶いそうですよ」
ミキの声だった。
何処か嘲笑うような含みがあるが固い声音。
「どいうことだ?」
司が近づいてくるとミキが場所を譲った。
「んー………うわっ!?」
司が少しの間の後に大声を出した。
それがきっかけだったかのように何処からともなく悲鳴があがりだした。
下には、頭から血と何かを撒き散らした男子生徒がいた。
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