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部長と副部長のこの二人。
素っ気無い態度を取り合いながらも、実はとても仲が良かったりする。
「彩花女史がお呼びだ」
トーマ先輩は、了解、と欠伸をしながら立ち上がり、
彼と共に図書室を出て行こうとして足を止めて、振り返った。
「がんばれよ、マネージャー」
その言葉に、また頬が発火するように熱くなった。
「……は、はい、
ありがとうございます」
良かった。
マネージャーになれて良かった。
先輩の姿が見えなくなったあと、屈服するようにテーブルの上のバスケット入門本に額を押し付けながら、
高鳴る鼓動に目眩を感じていた。
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