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「うっわ、やっぱり、すごいブカブカ」
思わず、そう声が出た瞬間、
部室の扉が開き、トーマ先輩が入って来た。
その姿に、頭が真っ白になる。
えっ?
どうして、トーマ先輩が?
彼はキョトンとして、こちらを見ていた。
急に自分が今、彼のユニフォームを着ていることに気付き、
どうしよう!
と頭がパニックを起こした。
「うわああああ、あ、あの、すみません、
あまりに大きいので、その大きさを私の身体で試してみようかと思いまして、
い、いえ、そうじゃないです、こんなに大きかったら、パジャマにも良さそうですよね」
って、私、何を言ってる?
「すみません、洗濯しなおします、本当に。
ユニフォームはまだありますし」
そう言って慌ててユニフォームを脱ぐと、
彼は呆然としたあと、吹き出すように笑った。
「別に、汚してないんだろ?」
そう言って脱いだユニフォームを抜き取るように手にした。
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