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そう思いながら、彼女を眺めていると、髪に隠れて分かり難いものの首筋に赤い痣のようなものがあることに気付き、目を凝らした。
「ミリちゃん、首のとこもしかして蚊に刺された?」
そう訊ねると、彼女は耳まで真っ赤になって、
慌てたように首筋を押さえた。
「や、やだ、残ってる?
どうしよう」
その様子に、思わず思考が停止した。
えっ?
その赤いのって蚊とかじゃなくて、
もしかして、キスマーク?
その事実に、こちらの顔も赤くなった。
「ご、ごめんね、鈍くて。
……ミリちゃん、彼氏いるんだ?」
気まずい中、そう訊ねると、彼女は真っ赤になって俯き、
「う、うん、最近、付き合い始めたばかりで……。
サユさん、誰にも言わないで下さいね……」
と俯いたまま、小声で漏らした。
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