第2章 ・衝突・

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五月とは言え八時あたりを過ぎていれば外は真っ暗だった外灯がチカチカと音をたて光ったり消えたりを繰り返す。消えている時間の方が長いため住宅から漏れる光のおかげで周囲を認識出来ている。   家で素振りでもしようて持って来た竹刀と木刀がぶつかり合う音が響く。それと時々どこかの家から笑い声などが聞こえた。   不意にキィキィという音が聞こえてきた。音源の方に視線をやる。そこは公園だった。   どうやらブランコが揺れていた音だったらしい。 しかもそのブランコは激しくかつ大きく揺れていた。   そこでようやくそれがおかしいことに気付く。時間は午後八時二十分過ぎ…… 公園に誰も居る気配は無い。   「………」   どうせ風かなんかだろう。五割方そう考えていた。残り5割は怖いもの見たさと言うべきか。 好奇心だった。   恐る恐るブランコに近付いていく。公園にはじゃりっじゃりっと砂の踏まれる音が響く。   オレがブランコに着いたあたりにはブランコの揺れは収まりつつあった。   「やっぱり風か……」   期待外れだった。   ……オレは一体何を期待していたんだろうか。幾分の体のうずきを抑え、静かに公園を後にすることにした。
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