第1章 ・日常・

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背中が暑い……。 五月だってのに日射しが強い。最近問題の異常気象というやつだろうか。   周囲には同じ格好をした人間が集まってきていた。もう少しで学校に到着する。   「やーまーと!!」   と、突然、不意に後ろからイヤホンから流れる音楽以上の声で名前を呼ばれた。   「なんでお前は朝からそんなに元気なんだ……」   満面の笑みを浮かべながら話している。 こいつの名前は武田 明日香(たけだあすか)、女みたいな名前だが男だ。   「待てよ!?むしろ逆じゃないか!?」 「何がだよ」 「オレが元気なんじゃなく大和が元気無いんだ!!」 「オレはいつでもこのテンションだ」   静かなツッコミをいれる。 わずかな沈黙。 どうやら反論を考えているみたいだ。   速河大和(はやかわやまと)、それがオレの名前だ。 普通の高校二年、いや先月三年になった。 そのためまだ十七歳だ。 ちなみに明日香も同い年である。   そんなコトをしているうちに学校に到着してしまった。   「やっぱオレが元気すぎるのか?いや、大和が元気無さすぎるのか?」   そんなコトを校門を過ぎたあたりまでブツブツと言っていた。
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