第1章 ・日常・

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まったく本当にやかましいな……。朝からずっとその話題でもちきりだったのでさすがにイラだってくる。何も今の世の中別段珍しい事でもないだろう。   オレだって別に興味が無い訳ではない……。ただどうしようもないだけだ。連続殺人の殺人鬼について話したところで殺人鬼が逮捕される訳でも、殺された人間が蘇るわけでもない……。 正直軽く他人事だ。   「なぁなぁ!大和も見ただろ!?ニュースさ!!アレ怖いよなー!!」   すると友人の佐伯祐介(さえきゆうすけ)が声をかけてきた。   「でも隣町なんだろ?だったら怖くはねーだろ」 「さすがは剣道部のエースだな!!アレだろ!?犯人も気合でボコボコだもんな!!」 「そんなん出来たら殺人鬼なんかとっくに捕まってるっつーの」 「あっはっはっ!!そりゃ確かにそーだ!!」   佐伯は腹を抑えながら爆笑している。何がツボだったのかオレにはさっぱりだった。   パタパタと廊下から足音が聞こえたのを合図にクラスの生徒がガタガタと音を立ててそれぞれ自分の席へと戻っていった。   「こらっ!!佐伯!!いつまで立っているんだ!!早く席に着け!!」 「やべっ!!」   佐伯だけがその流れに乗り遅れていた。
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