第2章 ・衝突・

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その後はどうせ二人居るのだから、という事で二人で練習をした。 外では普段よりも早く帰る生徒達の笑い声で溢れていた。そんな中武道館では、面だの胴だのそんな気合いの入った声が響き渡っていた。   会津は剣道がとても上手かった。例え一年でも甘くみてかかればオレは負けてしまう。一年負けるやつがキャプテンでいいのだろうか、そんな気負いがあってならなかった。 正直ここ最近の部活はたるんでいた。必ずと言っていい程に全員集まらない。むしろさぼってる奴らの規模が拡大している。余計に自分はキャプテンに向いていない、そう考えてしまうのだ。最近はそんなもやもやを振り払うかのように剣道に打ち込んでいた。   「めぇぇぇぇん!!」 「……っかー!!やっぱり大和先輩は強いっすね!!」 「いや、お前も充分強いよ。これはお前が三年になった時が楽しみだな!!」   一通りの練習を終えた後に軽く一試合をやり、そんな会話をしていた頃にはすでに外は薄暗くなっていた。   「こらー!!剣道部!!早く帰れー!!連続殺人に合っても知らんからなぁ!!」   先生の声がした。と、いうかやめてくれ縁起でもねぇ。 オレと会津はいそいそと帰宅準備を始めた。
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