異世界、始まります

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サアァァァ……… 「う、うぅ……」 頬を撫でる涼やかな風に、俺は目を開ける。 まだふらつく頭を振って立ち上がると、辺りは一面の草原。 そうか、ここが異世界か。 しっかし、誰もいないな。ここどこだ? キョロ……ユサッ……キョロ……ユサッ…… 何だろう?さっきから、左右を見回す度に胸元で何かが揺れるのを感じる。 いや、待てよ……さっき呻いた時も何か声が高かったような…… いや~な予感がして、ゆっくり視線を胸元に落としてみる。 あれっ?足元が見えないぞ? 胸元から何か大きな二つの物体が服を押し上げている。 まさか!と思い、神から貰った能力で鏡を出現させて自分を写す。 「なっ……!」 鏡に写ったのは……俺と同い年くらいの美少女だった。 しっとりとしたセミロングの黒髪を顔の両側にくるものだけ束ねて白いリボンを巻いている。 顔立ちは大きな丸い瞳にすっと通った鼻筋。花弁のように小さなピンクの唇。 大和撫子を絵に書いたような女の子だった。ただし、目は涼やかなアイスブルーの瞳だ。image=447002325.jpg
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